第37回日本夜尿症・尿失禁学会学術集会

会長挨拶

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第37回日本夜尿症・尿失禁学会総会学術集会

会長
白柳 慶之

佐々木クリニック 泌尿器科・小児泌尿器科 院長

この度、第37回日本夜尿症・尿失禁学会学術集会を、2026年(令和8年)6月27日(土)~28日(日)の2日間、JA共済ビル カンファレンスホール(永田町)で開催させて頂くことになりました。

本学会のテーマは 「共に育む夜尿症診療 Gentle, Precise and Aggressive !」としました。夜尿症・尿失禁をたくさん診療していますと、何をやっても改善しない難治性のこども達がどんどん溜まっていきます。われわれ専門家は、そんな子どもと保護者達を正面から受け止めなくてはなりません。夜尿症診療は夜尿を止めることだけが治療の目的ではありません。たとえ夜尿症が止まらなくても、こども達が健やかに成長していけるようにサポートをし続けることがプロフェッショナルの務めです。本人、両親、兄弟、保護者、施設職員、小児科医、小児泌尿器科医、児童精神科医、看護師、心理士、病院スタッフ、学校教育者他、関わる皆が共にこども達を育んでいく、それこそが夜尿症診療の真の目的だと考えています。これまで、夜尿症の原因、治療方法は盛んに議論してきました。しかし、原因の解明、治療方法の確立に関しては決して十分であるとは言えません。その限られた情報をわかりやすく患者に伝え、成長を支援していくことはあまり注目されていません。本学会をきっかけに、夜尿症・尿失禁診療がより広い視点から論じられるようになれば嬉しいです。

私は小児泌尿器科の師匠である山崎雄一郎医師から、「手術はGentleに、Preciseに、そして時にAggressiveにするものだ」と教わりました。夜尿症診療も同じです。親切に(Gentle)、繊細に(Precise)、そして積極的に(Aggressive)アプローチすることが大切だと信じています。アカデミックポジションから程遠く、毎日診療に追われている開業医のわたしですが、皆様のお力添えをいただいて、参加してよかったと思える学会にしたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。